映画『僕のワンダフル・ライフ』を観て※ネタバレを含みます。ご注意ください【大阪市 30代 男性】

映画『僕のワンダフル・ライフ』を観て※ネタバレを含みます。ご注意ください【大阪市 30代 男性】

2019.09.27

 犬の輪廻転生という設定から、犬が人間の最高のパートナーであり、深い感情や影響を与える犬の存在の意味を問う映画でした。犬の映画ときけば「めちゃめちゃ感動する」とか「涙が止まらなかった」などと形容される映画を想像します。そういった映画も当然好きではあるのですが、この映画は少し違いました。

 個人的には涙は出ませんでしたが、犬を飼うことが素晴らしいと思う以上に、妙に爽やかな気持ちを与えてくれる素晴らしい映画でした。

 この映画では、主人公の犬ベイリー(の魂)が4頭の犬の犬生(人生)を生きます。最初の犬(ラブラドールレトリバー)としての命は、主人公である幼いイーサンとともに始まります。イーサンは、ベイリーがあるならず者のせいで瀕死の状態にあるときに命を救ってくれた恩人。ベイリーの飼い主になったイーサンとは、いつも一緒で大親友になるのに時間はかかりませんでした。

 ラブラドールレトリバーとしてのベイリーの命は、イーサンが青年期を迎える頃、終わりをむかえます。イーサンを常にそばで見守ってきたベイリー。人生の楽しいときも辛いときも…。イーサンとの思い出はつきないが静かに目を閉じます。でも、イーサンは間違いなく、ベイリーの心に深く刻まれた飼い主になりました。

でもそこで物語は終わりません。そう、ベイリーは別の姿で、別の命を生きはじめます。

 今度は、ジャーマンシェパード(警察犬)、コーギー、セントバーナードとしての命を、それぞれ別の飼い主と生きるのです。セントバーナードとしての命になるころには、数十年が経過しているという設定です。残念ながら、セントバーナードとしてのベイリーの飼い主は、ベイリーの世話をほとんどせず、虐待に近い状態に放置します。結局ベイリーは、そこから追い出されることになります。そこでふと思い出したのは、ほかでもないイーサンのことだったのです。「イーサンはどこにいるのだろうか。またイーサンに会いたい!」。

 その想いと強い嗅覚が幸いして、すでに初老のイーサンの住まいを何とか突き止めます。最初イーサンは、別の姿で、みすぼらしいベイリーを拒みましたが、どこか放っておけない気がして、結局ベイリーを飼うことになります。

 もちろん、イーサンは最初気づきませんが、奇跡のようなことがいくつか起こり、そのベイリー(もちろんベイリーという名前では呼んでいない)が、あのベイリーの生まれ変わりであることを、ついに理解するのです。そして、ベイリーは、長いときを経て、最も愛していた飼い主に再会することができたというものです。

 最も素晴らしいのはクライマックスの場面で、流されるベイリーの言葉です。4つの命を生きたときに、ベイリーは、犬の命の意味に気づき、こう言います。「楽しむこと、困っている人を探し救うこと、好きな人をなめ、過去をいつまでも悲しまず、未来を憂いもしない。ただ今を生きる。これが犬の目的」

 犬も人間もいつかはお別れをしなければならないときがきますが、犬の命は通常、あきらかに人間のそれより短いわけです。でも、その最愛のペットと別れるときの悲しさは、経験した人でないとなかなかわかりません。でも、この映画は、3度のベイリーの死を、いわば淡々と扱います。実は、そこに焦点をあてているわけではないのです。むしろ、犬から見た、犬の命の意味を際立たせているところが、素晴らしいのです。

 犬に最大限の愛情を注いだすべての人は、自分の飼っている(た)犬も、このベイリーのよう感じていたと考えることができれば興味深いです。

 そのペットへの愛情を、生きている間に思う存分注いであげれば、犬はその愛情に間違いなく答えてくれますし、犬は愛されていることを理解し、その何倍もの幸せを運んでくれます。でも、犬と暮らすというのは、人間側の都合だけではなく、犬が犬自身の生きる意味を全うすることにもつながるのです。

また、この映画は、犬と暮らすことの別の気付きを与えてくれました。

 「犬が生まれ変わって、姿を変えて、また飼い主のもとに返ってくる。もしこんなことが実際にあったとしたら」なんて誰かに話すと、頭がどうかしていると思われるでしょう。でも、この映画はふと「もしかしてそうなのかもしれない」と思わせるところがあり、なんとも不思議な爽快感を、観た者に抱かせてくれます。そして、一旦そう考えると、仮に最愛の犬を亡くした経験があったとしても思うに違いありません。また犬を飼いたい、と。

 犬との別れは悲しいに決まっています。でもただ悲しいのではありません。その犬の中で、人間との素晴らしい思い出や、愛は鮮明に刻まれるのです。さらには、自分が受けた愛情を返しに、いつか必ず飼い主のもとに帰ってきてくれるのです。

 私も、自分の犬とのお別れのとき、どうなるだろうかと考えることがあります。でもこの映画を観たあとには、こうなりました。

 「犬も一生懸命、毎日を生きているんだ。その生命を全うさせてあげるために、愛情はたっぷり注いであげよう。そうすれば、いつかお別れのときが来たとしても、犬はこの犬生でよかったと思ってくれるだろう。そして、飼い主である私のところにまた戻ってきたいとも。」

映画公式サイト『僕のワンダフル・ライフ』

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